CO2レーザーとファイバーレーザーの違い|仕組み・コスト比較

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金属の切断など、ものづくりの現場ではレーザーがよく使われています。この記事では、産業用の切断でよく使われる CO2レーザーとファイバーレーザーの違い を、できるだけかんたんにまとめます。

結論から言うと、例えるなら CO2レーザーは蛍光灯、ファイバーレーザーはLED です。CO2レーザーは買うときは安いけれど動かすお金がかかり、ファイバーレーザーは買うときは高いけれど動かすお金が安く済みます。

違いの早見表

比べるところ CO2レーザー ファイバーレーザー
レーザーの作り方 ガスの中で放電させる(気体レーザー) 半導体レーザーの光をファイバーの中で増幅(固体レーザー)
波長 10.6μm(遠赤外線) 約1.07μm(近赤外線)。CO2の約10分の1
レーザーの通り道 ミラーで反射させて運ぶ 光ファイバーで運ぶ
電気の効率の目安 10〜20%程度 30〜50%程度
本体の値段 安め 高め
動かすお金 電気代とミラーの交換で高め 安め
得意なこと 厚い板の切断、切り口のきれいさ 薄い〜中くらいの金属を速く切る

そもそもレーザーとは

いろいろなサイトで難しい説明がされていますが、ひと言でいうと 「人工的に作った、まっすぐ進むまとまった電磁波」 です。

「光ではないの?」と思う方もいるかもしれませんが、光は電磁波の一種です。ここではこれ以上深く掘り下げません。

電磁波は波長で性質が変わる

電磁波は、波長(波1つ分の長さ)によって性質が大きく変わります。

  • 約380〜760nmが、目に見える光(可視光線)です
  • 波長が長くなると、赤外線や電波になり、ラジオや携帯電話などに使われます
  • 波長が短くなると、紫外線やX線になり、レントゲンなどに使われます

波長が短くなるほどエネルギーが高くなります。「紫外線は肌に悪い」と言われるのはこのためです。

CO2レーザーの仕組み

レーザーの作り方

CO2レーザーは「気体レーザー」と呼ばれます。ガラス管などの中に混合ガスを入れて放電させ、中にあるミラーの間で増幅させてレーザーを取り出します。

レーザーの通り道

レーザーは、ミラーで反射させて加工するところまで運びます。波長が長いので、光ファイバーでは運べません。

波長

波長は10.6μm(10,600nm)で、遠赤外線です。


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ファイバーレーザーの仕組み

レーザーの作り方

ファイバーレーザーは「固体レーザー」の一種です。半導体レーザー(大きなLEDのようなもの)から出た光を、細く伸ばしたガラスのファイバーの中で増幅させてレーザーを作ります。

レーザーの通り道

レーザーは、光ファイバーで加工するところまで運びます。

波長

波長は約1.07μm(約1,070nm)で、近赤外線です。CO2レーザーの約10分の1の長さです。


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ファイバーレーザーのメリット

電気の効率がよい

CO2レーザーは放電でレーザーを作るので、たくさんの電気を使い、その多くが熱になってしまいます。熱を冷やすための冷却設備も必要で、その冷却設備も電気を使います。

ファイバーレーザーは半導体でレーザーを作るので、電気からレーザーに変わる割合が高く、熱もあまり出ません。メーカーなどの資料では、電気の効率はCO2レーザーが10〜20%程度、ファイバーレーザーが30〜50%程度とされています。消費電力はCO2レーザーの3分の1程度とよく言われます。機種や使い方で変わるので、あくまで目安です。

ミラーの交換がいらない

CO2レーザーはミラーでレーザーを運ぶので、むき出しのミラーが汚れたり傷ついたりします。立体を加工する3次元レーザーになると、ミラーが6〜8枚と多くなり、メーカーによる光軸の調整(アライメント)も必要です。定期的なミラーの交換は部品が多く、部品代や交換の費用が高くなります。

ファイバーレーザーは、発振器からレンズまでファイバーでつながっているので、汚れや傷のリスクが少なく、光軸がずれることもありません。

こうした理由から、ファイバーレーザーのほうが動かすお金(ランニングコスト)が安いといえます。

ファイバーレーザーのデメリット

目への危険が大きく、全体を囲う必要がある

ファイバーレーザーの近赤外線は、目に入ると奥の網膜まで届き、深刻なダメージを受けます。最悪の場合、失明します。そのため、加工機は全体をカバーで囲って使うのが絶対です。

なお、CO2レーザーも目や皮膚をやけどさせる危険があります。どちらのレーザーでも、波長に合った保護メガネが必要です。

本体の値段が高い

買うときの値段は、まだCO2レーザーのほうが安い傾向です。

厚い板の切断はCO2レーザーが得意

厚い板も切れないわけではありませんが、切り口のきれいさはCO2レーザーのほうが上だと言われています。

まとめ

  • CO2レーザーは蛍光灯、ファイバーレーザーはLEDに例えるとわかりやすいです
  • CO2レーザーは本体が安く、動かすお金が高め。技術としては成熟しています
  • ファイバーレーザーは本体が高く、動かすお金が安め。まだまだ発展しています
  • ファイバーレーザーは目への危険が大きいので、全体を囲って使います

この記事は、個人的な調べものと考えをもとに書いています。間違いや誤解を招く表現があれば、コメントで教えてもらえると助かります。


レーザーの教科書

絵とき レーザ加工の実務 第2版-CO2&ファイバレーザ作業の勘どころ-

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